介護のストレスとの付き合い方は?
こんにちは、今回は介護のストレスについてです。ご自宅に家族に要介護者がいると必然と家族が介助や身の回りのお手伝いをすることになりますが、ストレスは溜め込んでいませんか?
普段の生活で気を付ける介護の「断・捨・離」を紹介します。
「断」・・・出来ないことはちゃんと断る
在宅介護の場合、どうしても1人の介護者に対して負担が掛りがちです。特にお嫁さまの立場では同居や近隣に住んでいる両親の介護をするケースがよくあります。
嫁という立場上、どうしても断りにくいこともありますが、出来ないものは無理に受けずにお断りをしましょう。代わりに介護のサービスでカバーすればいいのです。介護者の負担が大きくなり過ぎないようにケアプランの見直しも含めてケアマネージャーと相談しましょう。
「捨」・・・自分ひとりの「問題・責任」という考えを捨てる
自分ひとりの問題と抱え込まないこと。家族にどれだけ大変なのかを知ってもらうことも大切です。時には家族の理解が得られない時もありますが、その時は地域の福祉の相談窓口(地域包括支援センターなど)に話をしてみるとよいかもしれません。「私でなければ・・・」といった考え方は、サッと捨てましょう。地域にある「介護者の会」などでお互いの悩みを共有することで、ストレスの緩和や、気持ちが楽になります。
「離」・・・介護だけしないで自分の時間を作るために、時には離れる
介護に完璧はないものです。「今日はここまで!」とある程度時間を決めてしまいましょう。介護にずっと追われて、付きっきりになっていると段々と気持ちも塞ぎ込んでしまい、いつかパンクをしてしまいます。
今は短期的に預けることができる施設(老健、老人ホーム)や、サービス(ショートステイ、お泊りデイなど)が増えてきています。そういったものを利用して、毎日の介護と家事から無理やりにでも離れて、自分のための時間を意識して作ることが大切です。
例えば、お風呂の時はゆっくりと時間を掛けて湯船に浸かり、疲れを取るようにする。もしくは一泊の小旅行なども良いでしょう。介護疲れで心身ともに疲弊する前にレスパイト(小休止)をして、きちんと心と体のリフレッシュをしましょう。
高齢者とお風呂?
こんにちは、今回は高齢者の入浴についてです。
入浴は新陳代謝を良くし、リラックス効果もありますが、一番は体を清潔に保つことが目的です。そして介護者としては、体の状態を観察することも重要です。入浴の際には主に皮膚の状態(乾燥、荒れ、怪我、アザ、腫れ、浮腫など)を観察することで、異常がないことを確認します。さらに持病、体に麻痺がある人は注意が必要です。
▼普段の入浴で気を付ける点は?
- お元気な方であっても長時間1人にせず、本人に異常がないか声掛けを行います。
- 持病のある方、高血圧や心臓に不安の有る方、脱衣所と浴室との温度差を少なくし、ヒートショックを起こさないようにします。
- 麻痺がある場合は手すりの位置など事前に確認し、入浴時は見守りや介助をしましょう。
- 低体重の方は体が浮いてしまい、湯船で安定せず不安を感じることがあります。状態によっては特殊浴を使用します。
- 浴槽の中で滑って溺れてしまうことがありますので、水位は胸の高さまでにします。
- 自宅のお風呂での介助が難しいようであれば、訪問入浴の利用をお勧めします。
- この他、浴室の床がタイルなどは濡れていると滑りやすくなっていることがありますので、滑り止めテープの使用など検討します。石鹸の泡などが残っていると足元が滑り、転倒など原因にもなるため、浴室の使用後にはきちんと水で流して乾燥させることも重要になってまいります。
◆介護施設での入浴って?
週2回~3回で入浴する施設がほとんどで、4回目5回目となると別途費用(各施設による)が掛かるケースがあります。一見、入浴回数が少ないように感じますが、ご高齢となり体力が落ちてくると毎日の入浴が大変な方が多くなりますので、体の状態にあった入浴回数を心掛けましょう。そういった面から、お元気な方(自立度が高い方)、活動的な方は住宅型の施設やサービス付き高齢者住宅を視野に入れ検討すると良いかもしれません。
◆特殊浴はどんなものがあるの?
特殊浴とは通常の浴室とは異なり、車いすに乗ったままの状態で浴槽に入れるもの、リフトで体を持ち上げて浴槽に入るもの、ストレッチャーに乗ったまま入れるものがあります。その他にもカプセル型の浴槽に車イスに座ったまま入り、温かいミストで温まるタイプのものがあります。体の状況にあわせた入浴方法を検討します。
高齢者と転倒について
高齢になると転んだことがきっかけになって、思わぬ大事に至ってしまうことがあります。
◆80代になる私の祖母も・・・
以前、自宅で転んで骨折してしまったことがあります。その時は幸いにも入院することもなく、疼痛と若干の痺れが残る程度で、通常に生活に戻ることができました。本人は「躓いただけなのに」と驚きながら落胆していましたが、家族の中では「怪我をしたのが頭じゃなくて良かった。車イスになったら大変だったね」と話をしていたのを覚えています。実際に私の自宅は3階まで階段を昇る必要があるため、骨折したと聞いたときは「介護」の二文字が頭をよぎりました。
◆本当に怖いのは入院すること
調べてみますと、骨折など大怪我をすると救急病院に搬送され、状態が良くなると次にリハビリ病院、老人保健施設(老健)を経て在宅生活に戻っていくようです。
しかし、リハビリまでの長い入院生活により廃用性症候群で足腰が弱って歩けなくなってしまうこともあるそうです。さらに高齢者特有の一時的な混乱や、本人の精神的な落ち込みや不安感、弱気になる、刺激の少ない入院生活から認知症の発症がみられるなど、心身ともに変化が起こりやすいようです。
◆介護サービス利用のきっかけ
介護の相談を受けていると、やはり転倒した際に怪我をしてしまい、心配になった子供たちが相談するケースがかなり多いです。転倒から退院まで短期間のうちに(およそ3、4ヶ月の間)上記のようなことが起こると、以前のような生活に戻ることが難しいと判断されるようです。その中でも特に、独り暮らしの両親を持つ家族からとても多いです。
◆高齢者の独り暮らしと安全対策
本人に決して無理をさせないようしましょう。特に夏の草むしり、冬の雪かきなど、ギックリ腰や、圧迫骨折が原因で動けなくなってしまうこともあります。また室内でも転倒しにくくする工夫が必要です。数センチの段差でも転倒のリスクがあります。例えば絨毯は意外に躓く原因にもなります。他にも手すりを付けるなど、バリアフリーを目指したリフォームも視野に入れましょう。介護保険では介護サービス以外にもリフォームも対象となることがありますので、行政の窓口に相談することをお勧めします。
また、何か起こる前に老人ホームなど施設に入ることも一つの対策です。車いすになってからの入居よりも、自分の足で暮らせることを重要と考えるもの一つかもしれません。高齢の家族の一人暮らしをいつまで続けさせていいのか、家族で相談をしましょう。
そろそろ介護が必要かな?と思った時に
こんにちは、最近のご両親や、お爺ちゃん、おばあちゃん、普段の様子は如何でしょうか?
そろそろ介護が必要なのかな、と感じたら読んでもらいたい記事です。
◆このようなご家族の様子や生活の変化があったら要注意
・近頃は歩くのも大変そう、日課のお散歩に行かなくなった。
・体調が悪くないのに、お風呂が億劫で入りたがらない。
・なんだか、ぼんやりしている、もしかして認知症?
・日中も起きてこない、寝る時間が増えたなぁ。
◆そろそろ介護が必要かな、と感じたら
まずは地域の相談窓口に行きましょう。各地域の行政には必ず高齢者福祉の相談窓口があります。「※地域包括支援センター」では、介護に関する情報やアドバイスを聞くことができ、さらに介護保険の利用方法についても教えてもらえます。※市区町村によって名称がことなります。
◆本当に介護が必要?「認定調査」とは
介護のサービスを受ける為には、認定調査を受けることになります。認定調査とは行政が、介護を受ける方の身体的、精神的、周辺環境など、状況をヒアリングし、介護保険のサービスの利用が適切なのかを調査することです。
◆認定調査の時の気を付ける点とは?
調査の際に注意したいことがあります。認知症が原因で、本来は介護が必要なのに「全部自分でできます」と間違った情報を伝えてしまうことです。認定調査の際、家族は普段の暮らしを認定調査員に伝え、どんなお手伝いをしているか伝えましょう。無事に認定調査を終えると、約一カ月前後で結果が出され、介護のサービスを受けられるようになります。
◆本人の前では包み隠してください!認知症でも自尊心を傷つけないように
認定調査の際、ご家族は本人の自尊心を傷つけてしまわないようにすることが重要です。例えば、食べこぼしがある、ひどい物忘れ(認知症)で困った、迷子になったことがあるなどの失敗談。特にトイレ関係の失敗の話は気を付けましょう。
本人が気分を悪くするだけではなく、場合によっては「私に介護なんて必要ない!」と立腹されてしまうこともあります。デリケートなことを調査員に伝える際には本人には聞こえないように十分配慮をしましょう。